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【判例要旨】CMV核酸の増幅用及び検出用プライマー事件(22-10190)

<事件名>

CMV核酸の増幅用及び検出用プライマー事件

平成22年(行ケ)第10190号 審決取消請求事件

 

<事件の概要>

拒絶査定不服審判における審尋回答書に添付の補正案について、審決が回答書の内容、補正案について何ら判断をしめさなかったのは、審理における裁量権の逸脱、濫用に当たるとして審決の取り消しを求めたものである。

 

<判示事項>

 裁判所は、

「審判手続の過程で請求人の提出した書面に記載された意見の当否について,審決において,個々的具体的に理由を示すことを義務づけた法規はない。したがって,審決において,請求人の提出に係る回答書(補正案が添付記載されている。)について,その当否について,個々的具体的な理由を示さなかったとしても,当然には裁量権の濫用又は逸脱となるものではない。」とし、

さらに、「請求人が,補正案の記載された回答書を提出したからといって,審判合議体において,請求人の提出した補正案の記載された回答書の内容を,当然に審理の対象として手続を進めなければならないものではなく,また,審決の理由中で,請求人の提出した回答書の当否を個別具体的に判断しなければならないものではない。」、

また、「請求人が補正をすることができるのは,審判請求の日から所定の期間内の補正をする場合を除いては,審判合議体において,拒絶査定と異なる理由で拒絶すべき旨の審決をしようとする場合に限られるのであって,上記ウエブサイトに記載されたような,「補正案が一見して特許可能であることが明白である」場合や「迅速な審理に資する」場合等が,これに該当するとはいえない。」

として、原告の主張を退けた。

 

<指針>

 審尋回答書で補正案を提示しても、基本的には補正案が考慮されることはない。拒絶審判請求時の補正は、後追い補正するような余裕を残してはいけない。

 


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